副院長のコラムが中日新聞の朝刊(2023/12/27教えて!ドクターQ &A)に掲載されました。
副院長の専門分野は歯周病と根の治療です。岡山大学時代は
”根の手術” ”親知らずの移植手術””神経の再生手術”
などを手掛け、学会や論文で発表をしてきました。
今回はその中で、なかなか治りにくい根の病気に対して行う最終手段「根の手術(歯根端切除術)」についてのコラムを書きました。ぜひご覧ください!
Q.歯の根の治療を数ヶ月受けていますが、上手くいかず歯を抜く必要があると言われました。抜かずに済む手段はありませんか?(45歳女性)
A.むし歯が深く進むと、口の中の菌が歯の中に感染し、神経は壊死してしまいます。この状態を長く放置すると、根の先の骨が溶けることもあります。このような場合は歯の内部を消毒し、感染した菌や悪くなった神経を取り除く根の治療が必要です。
しかし、歯の中はアリの巣のように複雑な形をしており、100%内部を消毒することは困難です。東京医科歯科大学の調査では、日本における根の治療の成功率は50%程度とされ、残念ながら全ての治療が上手くいくわけではありません。
このように通常の根の治療が成功しなかった場合、最後に残された手段が根の手術です(歯根端切除術)。根の手術では、麻酔をして一度歯茎を開きます。そして菌が感染し悪くなった根の先端部分のみを削り取り、先端から薬を詰めます。手術によって原因となる菌を除去することで、数ヶ月から数年がかりで骨が再生します。
しかし、根の手術にはミクロン単位の精密さが求められ、高度な技術や経験が必要です。そのため、歯の根の治療の専門医に一度診断を受けることが大切です。