歯とかぶせを長持ちさせるには、かぶせ(クラウン)の精度や材料、メンテナンスが重要です。そのほかにも「歯質の量」も非常に関係します。
それでは適切な歯質の量の目安とはなんでしょうか?専門的には以下の目安があります

①フェルール効果:クラウンの縁(マージン)が幅1mm以上・高さ2mm以上の歯質にしっかり接している状態
②骨縁上組織付着;クラウンの縁が骨から2mm以上離れていること(これにより歯ぐきの炎症を起こしにくくします)この2つの条件がそろっていると、かぶせ物の土台としての安定性が高くなり、再治療のリスクを抑えることができるのです。
研究結果よりフェルールの有無は、歯の「生存率」や「破折しにくさ」に大きく関係しています。実際に海外の研究では、次のような差が報告されています。
3年後の歯の生存率
フェルールあり:93.3%
フェルールなし:73.8%
歯の破折抵抗(どのくらいの力で折れるか)
フェルールあり:約533N
フェルールなし:約130N(約4分の1に低下!)
このように、フェルールがあるだけで、歯の耐久性や予後が大きく改善することがわかっています。
フェルールが無い状態で無理に土台(コア)を立ててクラウンをかぶせることも技術的には可能ですが、以下のようなトラブルが起こりやすくなります。

・ポストの脱離(支台のはずれ)
・歯根破折(歯の根っこが折れる)
・二次う蝕(再びむし歯になる)
・歯周病の悪化(炎症や歯ぐきの腫れ)
見た目では問題なさそうに見えても、目に見えないところでダメージが進行していることもあります。
せっかく時間をかけて治療した歯を、また失ってしまわないようにするためにも、「フェルールが確保できているかどうか」はとても重要な確認ポイントです。
次回は、もしフェルールが失われてしまった場合、どうやって回復させるのか?について、治療方法をご紹介します。
—————————————–
まるも歯科は日本歯周病学会歯周病認定医在籍。岡山大学で専門的に学んだ知識・経験を活かし、歯を保存する治療(根の治療や歯周病治療など)に努めます。
通常の根の治療が困難な歯に対しても、専門的な根の手術(歯根端切除術・意図的再植術)に精力的に取り組んでいます。
——————————————

